イングランド北部の伝統菓子!「11月5日のお菓子」パーキンとは?

労働者階級のお菓子が今ではお祭りの名物に!?ヨークシャー州で広く知られている郷土菓子パーキンについてご紹介します!
材料を盗んで作っちゃうくらい美味しい!?

パーキンはオートミールと糖蜜を伝統的な材料にしたイギリスはイングランドの焼き菓子。ヨークシャー州リーズ周辺の名物として知られていて、糖蜜による濃い黒色と甘くずっしりとしたボリューム感が特徴です。イングランド南部ではそこまで知られておらず、小麦ではなくオーツ麦が貧しい人々の主食であった地域で食べられています。

そして、パーキンは粘り気を感じられるほどしっとりとした食感。理想の食感で食べるために、焼き上げた後数日間は缶などの密閉容器に入れておくんだそう。

かつてはパーキン保存専用の木箱も売られていたそうですよ!
パーキンが生まれた当時は、高価で貴重だった砂糖ではなく、イギリスでポピュラーな甘味料だったゴールデンシロップや糖蜜が使われていました。そこにオートミールやラード、生姜を加えることで腹持ちや保存性を高め、労働者階級の人々を中心に親しまれるお菓子となっていきました。現在では、ランカシャーのパーキンはオートミールとゴールデンシロップを用い、ヨークシャーのパーキンは糖蜜とブラウンシュガーを用いて作るという違いがあるそうです。
「パーキン」という名前の語源は不明ですが、歴史的にパーキンの名が最初に登場したのは1728年。ヨークシャーのアン・ホイッタカ―という女性が「オートミールを盗みパーキンを作った」として訴えられたのが最初です。彼女が材料を盗んでまで作りたかったパーキン、かなり魅力のあるお菓子であるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

また、イギリスではかつて国王に反逆したガイ・フォークスという男性を祝う「ガイ・フォークス・デイ」と呼ばれる日があります。11月5日のその日はイギリスの国中で花火が打ち上げられるなどお祝いムードですが、リーズの街では「パーキン・ナイト」と呼ばれ、パーキンを食べる日となっているそう。いつかリーズで11月5日を過ごすことがあれば、是非ともパーキンを食べてみたいですね!

日本ではまだあまり浸透していないものの、とっても美味しい焼き菓子パーキン。興味のある方は是非、パーキンを食べてみて下さいね!