ちょっとprofundoなスペイン語通信Vol.2 スペインの街の名前を使ったスペイン語表現7つ!
第二弾となるスペイン語通信。今回はスペインにある街の名前が登場する、スペイン語の言い回し7選をお届けします!
1.irse por los cerros de Úbeda
まず一つ目は、「irse por los cerros de Úbeda」。「はぐらかす、回りくどい表現をする」という意味です。あえて長々と喋って論点をずらすことで答えたくない質問から逃れようとするときに使います(政治家とか子供がよくやる手法ですね!)。ちなみにウベダはアンダルシアにある町で、建物群が世界遺産に登録されている美しい街です。
Mis padres me preguntaron qué hice ayer. Me fui por los cerros de Úbeda, porque había estado en la casa de Tony, quien no les gustó.
両親は私に昨日何をしたのか聞いてきた。私は答えをはぐらかした、なぜなら両親が嫌うトニーの家にいたからだ。
2.de Madrid al cielo
直訳すると「マドリードから天国へ」という意味になる「de Madrid al cielo」。マドリードの人はマドリードこそが最高の居住地である、マドリードに勝る場所はどこにもないと思っているため(ステレオタイプの一種ですが)、この表現は「マドリードより良い場所は地上にはない」「マドリードに並ぶ場所は天国しかない」といった意味で使われています。
Hay un dicho como 'de Madrid al cielo’ pero a mí me gusta más Granada que Madrid.
「マドリードから天国へ」という格言があるけど、私はマドリードよりグラナダが好きだ。
3.quien fue a Sevilla perdió su silla
3つ目は「quien fue a Sevilla perdió su silla」。このフレーズは、15世紀のスペインでセビリアに住んでいた王様が、彼の領地を攻撃から守るために北部に行ったという出来事に由来します。王様が不在の間、彼の甥が武力でセビリアを支配してしまい、王が北部から戻ったときにはもう、セビリアは甥のものになっていたのです。転じて、この表現は「自分のものだと思っていたポジションでも他の人にすぐに取られてしまう」、「帰ってみたら席がなくなっている」ということを表現するために使われるようになりました。
Quiero coger la baja por maternidad pero temo perder mi puesto de trabajo. Como dice 'quien fue a Sevilla perdió su silla’.
育児休暇を取りたいけど、仕事のポジションを失うのが怖いんだ。「セビージャに行ったものは自分の席を失う」って言うだろう。
4.estar entre Pinto y Valdemoro
4つ目は「estar entre Pinto y Valdemoro」。「2つの選択肢の中で揺らいでいる、決めあぐねている」という意味です。昔スペインで、ある男性が夜家へ帰る際に、ピントとバルデモロという街を隔てる川を渡って交互に、「今はピントにいる」「今はボルデモロにいる」と遊んだことに由来する表現です。かつてはこの話に登場する男性のように、酔っ払っているということを意味する表現でしたが、今は「決めかねている、優柔不断である」ということを表す表現になりました。
Esta camiseta es baratísima pero la talla es un poco grande. Aquella camiseta me queda perfecta pero un poco cara. Estoy entre Pinto y Valdemoro.
このTシャツはとっても安いけど、サイズが少し大きい。あのTシャツは私にぴったりだけど、少し高い。決めかねてるよ。
5.estar en Babia
5つ目は「estar en Babia」。「上の空である」という意味です。RAEによると、「気が散っていて自分が扱っているものに意識がいってないこと」となっています。中世のスペインで、王様が日常の責務から離れてゆったりボーッと過ごす場所として、バビアを選んだとされていることから生まれた表現です。
De niña, no me gustaban las matemáticas. Así que durante la clase, estaba siempre en Babia.
子どもの頃数学が嫌いだった。だから授業中はいつも上の空だったよ。
6.salir de Málaga para meterse en Malagón/ salir de Málaga para entrar en Malagón
6つ目は「salir de Málaga para meterse en Malagón」。直訳すると「マラゴンに行くためマラガを去る」という意味になりますが、このフレーズの意味は「最悪な状況を脱するために行動した結果もっと悪い状況になってしまう」という意味です。由来は不明ですが、悪いという意味を持つ単語「mala」が入っているマラガとマラゴンを使って韻を踏んでいるだけという説が有力です。ちなみに、マラガはアンダルシアの街で、マラゴンはカスティージャラマンチャの街です。
Mi padre estaba gravemente enfermo y pagó mucho dinero por un remedio sospechoso para recuperarse. Pero el remedio no fue efectivo y murió hace dos años. Él perdió la vida y el dinero. Salió de Málaga para meterse en Malagón.
私の父は重い病気だったのだけれど、怪しい治療に多額のお金を費やして病気を治そうとした。だけど治療に効果はなく、二年前に死んだ。彼は命もお金も失ったのだ。「マラゴンに行くためマラガを去る」というやつだ。
7.Pa’ lante como los de Alicante
最後の表現は、「Pa’ lante como los de Alicante」。直訳すると、「アリカンテの人々のように前へ進もう」という意味になりますが、つまり、「勇敢になろう、勇気を出そう」といった意味です。アリカンテに意味はなく、韻を踏むことでちょっぴりダジャレっぽくしているだけです。ちなみに、アリカンテはスペインの南東部にある都市です。
No te preocupes, ¡Qué será, será! ¡Pa’ lante como los de Alicante!
心配するなよ、なるようになるさ!勇気を出して!
いかがでしたか。スペイン語を話すときにこういった表現がサラッと出てくるとカッコいいですよね!皆様のスペイン語学習にこの記事が役立つと幸いです!